ナフサとは|用途・価格・供給と需要の見方
ナフサという言葉は、石油化学やエネルギーのニュースでよく登場します。ここでは「ナフサとは何か」を、 用途・価格・供給と需要の関係・公的統計での見方まで、できるだけやさしく整理します。 数値は政府・公的機関の一次統計にもとづく参考情報です。
ナフサとは
ナフサ(naphtha)は、原油を蒸留して得られる軽質の留分のひとつです。 ガソリンよりやや軽い〜近い沸点範囲の炭化水素の混合物で、それ自体が最終製品というより、 石油化学製品やガソリンの原料として使われる中間的な位置づけの素材です。
ナフサの用途
公的統計では、ナフサは主に次の2つに分けて扱われます。
| 区分 | 主な使われ方 |
|---|---|
| 石油化学用ナフサ | エチレンセンター等で分解され、エチレン・プロピレンなどの基礎化学品になります。プラスチックや合成繊維など、幅広い化学製品のおおもとの原料です。 |
| その他用ナフサ | ガソリンの基材(調合原料)や都市ガス用など、石油化学以外の用途に使われます。 |
本サイトの推移グラフでは、この2区分を合算した「ナフサ計」と、区分別の内訳を見られるようにしています。
供給と需要の見方
ナフサの供給は「国内の生産(製油所での製造)」と「輸入」の合計、 需要は「国内向けの販売」と「輸出」の合計、という形で公的統計から読み取れます。 日本はナフサの輸入依存度が高いのが特徴で、供給を見るうえでは輸入の動向が重要になります。
「いま足りているか」は、供給と需要の差や在庫(月末在庫)が需要の何日分あるかで おおまかに把握できます。一方で「将来も満たせるか」は、過去〜現在の統計だけでは判断できず、 製油所の供給余力・需要の構造変化・輸入の継続性などをあわせて見る必要があります。
ここでいう「国内生産」は、日本国内で原油を掘り出しているという意味ではありません。 日本は産油国ではなく、 資源エネルギー庁 によると原油は99.7%を海外からの輸入に依存しており、自給率は0.3%程度にとどまります。国内の製油所は、 タンカーで輸入した原油を蒸留・分解してガソリン・灯油・軽油・重油などとともにナフサを取り出しており、 統計上の「生産」はこの国内での精製工程を指します。つまりナフサの「国内生産」も、 原料の原油はほぼ全量が輸入品です。
なお、月次データのページのグラフでは、2024年以前は「受入」「出荷」、 2025年以降は「輸入」「国内向け販売+輸出」と、区分の呼び方が 年によって変わります。統計の公表元が経済産業省の生産動態統計(〜2024年)から石油統計速報・確報 (2025年以降)に切り替わり、それぞれの区分に合わせているためです。役割としては、 受入 ≈ 輸入、出荷 ≈ 国内向け販売+輸出 と対応しており、どちらも「供給」「需要」の計算では 同じ位置づけで扱っています。
ナフサの価格
本サイトで扱うナフサ価格は、輸入価格(CIF・円/kl)です。CIFは、商品代金に 保険料・運賃を含んだ輸入時の価格を指します。原油相場や為替、海上運賃の影響を受けて上下します。 価格は通関実績にもとづく公的データから取得しており、最新は2026-07分まで掲載しています。
統計での見方・出どころ
本サイトのナフサの数値は、政府統計の総合窓口(e-Stat)、 経済産業省「石油統計速報・確報」、財務省「貿易統計」といった 公的な一次統計にもとづいています。
ここでいう「速報」は公表対象を絞って早く出す暫定値、「確報」は 対象を広げて集計し直した確定値です。速報は数値が早く分かる一方、後日の確報で改定される場合があります。 ただし本サイトが扱う「確報」には性質の異なる2種類があり、確報が出るまでの期間もまちまちです。
- 経済産業省が独自に公表する「石油統計速報・確報」(ナフサ計の生産・月末在庫など)は、 比較的短い間隔(1〜2か月程度)で速報から確報に切り替わります。
- 用途別内訳(石油化学用・その他用)や受入・出荷のもとになる政府統計の総合窓口(e-Stat)の 「経済産業省生産動態統計 年次時系列表」は、年1回、対象年の翌年6月末ごろに まとめて公表される仕組みです(直近3回・2022〜2024年分はいずれも6月末に公表)。 月次で追える速報とちがって年に一度しか更新されないため、本サイトの内訳掲載は 最新月からおおむね半年〜1年半ほど遅れます。
本サイトでは、確報の整備が追いついていない最新の期間を速報・通関実績で補完し、両者の定義が揃う 形で接続しています。業界団体の独自統計は使用していません。 接続の詳細は このサイトについて に記載しています。
ナフサの供給量・在庫・価格の推移を見る
実際の月次データ(生産・受入・出荷・月末在庫・輸入価格、最新2026-07)は、 グラフつきの推移ページでご覧いただけます。
ナフサ・エネルギーをもっと知るための書籍
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